国内「統合医療」の 第一人者 川嶋 朗 医師に聞く

国内「統合医療」の 第一人者
川嶋 朗 医師に聞く

統合医療は人を幸せにする医療、学びと実践を。

今、必要な医療とは?
~統合医療とその教育・啓発~

川嶋先生と統合医療の歴史

片平:12年ほど前に私とPMC社長大谷憲氏の共著である『100歳まで元気で ぽっくり逝ける眠り方』の推薦文を川嶋先生からいただきましたね。
その節は本当にありがとうございました。本日は改めて統合医療についてお話をうかがいたいと思います。
いつ頃から統合医療は注目されるようになったのですか?
川嶋:西洋医学、補完代替医療、個人の価値観、人生観など、全部をカバーする理想に近い医療が統合医療です。通常の医療とそうではない治療、肉体と精神、細部と全体、集団と個、客観的データと満足度重視という形で統合したものです。
2000年を過ぎた頃から、通常の医療を混ぜた「統合医療 (integrative medicine)」という言葉が世の中で言われるようになってきました。
米国では2014年に、CAMという「国立補完代替医療センター」が「統合」という言葉を入れ「米国国立補完統合健康センター」という名前に変わっています。

日本における統合医療の発展

片平:日本における統合医療の歩みを教えてください。
川嶋:日本でも2000年初期に「統合医療」という言葉ができました。その頃は世界と歩調を一緒にしていたと思います。ところが以後、法的規制や進捗がなさ
僕も統合医療に携わってすでに20数年が経ちましたが、この国で統合医療の概念を啓発するのは難しいと感じることが多かったのです。というのも実は、2017年に僕は統合医療学会を開いたのですが、その時点では未来を見い出せずにやめてしまったという過去があるからです。
しかし今年、やっと一般社団法人「日本臨床統合医療学会」を設立することができました。この学会には、臨床ができる人たちに入っていっていただき、国内外の医療機関や研究機関との連携を深め、統合医療の未来を築いていくことを目的にしています。

長生きする日本人にとってなぜ統合医療が必要なのか?

川嶋:今、「人生100年時代」といわれていますね。日本人は長生きになりました。これには急性疾患や感染症を治してきた西洋医学の恩恵は大きく、素晴らしい功績を残してきました。ところが長生きすることで、加齢に伴う原因(敵)のわからない症状に苦しめられ、治療の手段が見つからない患者さんも増えています。
というのも西洋医学は分析医学ですから、臓器別に診断や治療を行っています。しかし臓器は全て繋がっているわけです。だから臓器別に診断する西洋医学では、複数の部署で診断せざるを得ず、まるで「たらい回し」のように診断や治療が行われます。これでは患者さんとしても負担が大きいと思います。
昨今では Quality of Life(QOL /「人生の質」「生活の質)という概念が重要視されていますが、この概念を含んでいる通常医療はほとんどないといっても過言ではないでしょう。そこでQOLの概念が入っている医療を求めると、補完代替医療が考えられます。

QOLを大切にする補完代替療法と世界各地に伝わる伝統医学

片平:補完代替療法について教えてください。
川嶋:標準治療を補うための補完医療と、標準治療の代わりに行う代替医療をまとめたものが補完代替療法です。
漢方、鍼灸、健康食品、サプリメントなどが含まれ、病気の緩和やQOLの向上を目的とするものです。補完代替医療を言い出したのがアメリカです。
1992年からNIH(アメリカ国立衛生研究所)の中にこの部署を設けています。また現代医学が成立するずっと以前から世界各国で発展し、利用されてきた伝統医学というものもあります。
これには薬草、瞑想、食事療法などもあり、インドのアーユルヴェーダや中国医学なども含まれます。また心身相関療法なども入ってきます。
ほかには波動療法、O-リングテスト、エドガー・ケイシー療法、ロボット、人工知能(AI)などもあります。
このようにさまざまな医療を統合して治療をする「統合医療」は、一人一人の人生や価値観に密接に関わってくるものだと考えられます。

統合医療は人を幸せにする医療

片平:単に病気を治癒するだけではなく、生き方をも尊重するということですね。
川嶋:どのような人でも、独自の人生観や価値観を持っているわけですから、その人がどういう人生を歩んでいきたいのかを尊重することが大切です。
そして、どのような人でも100%、「死ぬ」という事実は変わらないのですから、どのような死に方、つまり生き方をしていくのかということを大切にして、その概念を患者さんと共有し、治療をしていくものを、改めて「統合医療」と言うのではないかと思っています。それは理念であり哲学であり、概念でもあるのです。
ですから一言で言い換えるとするならば、統合医療とは、「人を幸せにする医療」ともいえます。もっと言うと、「死ぬときの後悔を最小限にする医療」でもあります。その人の哲学や生き方を実現するための医療ともいえるでしょう。

統合医療を希望する患者さんに対して

片平:先生はどのような場合、統合医療を開始されるのですか?
川嶋:最初に患者さんの希望があります。通常医療だけでは治療ができない場合などに、患者さんは通常医療と補完代替医療の併用を希望することが多いわけです。
つまり西洋医学に限界を感じている人が統合医療に希望を見出すということですね。そこで私も、補完代替医療が必要だと思った場合、その治療をしている先生をご紹介します。
片平:補完代替医療を求める患者さんと通常の西洋医学のドクターの間で何か問題が起きることはありますか?
川嶋:西洋医学の先生方の中にはときたま補完代替医療を嫌っている場合があるので、患者さんも西洋医学の医師に内緒で補完代替医療をすることがあります。
一方、補完代替医療の提供者が「西洋医学なんてやめてしまえ」と拒否する場合も結構あります。このような時は両者の考え方を融合する必要があります。
また反対に患者さんの中にも、単に「通常医療が嫌い」という理由で、西洋医学や通常医療を断固として断る方もいらっしゃいます。このような場合は、通常医療のいい面もあるという話をしながら診療を行うことにしていますが……。

患者さんには勉強を勧める
統合医療/補完代替医療関連の書籍

片平:先生から統合医療をお勧めすることはあるのですか?
川嶋:僕は普段の診療で患者さんたちから、「どのような補完代替医療や伝統医療などの治療をしていいのかわかりません」と問われても、こちらからは積極的に何かを提供することは絶対にしません。
その理由としては、私から提案した途端に患者さんからの「依存」が生じてしまうからです。そしてその治療がうまくいかなかった場合、その方は「統合医療」に対して悪いイメージを抱くでしょう。
だから「一緒に勉強しましょう」と言って僕が書いた書籍を読んでもらいます。
本には、さまざまな医療のことが客観的に書いてありますから、「この本で勉強された中から興味があるものを教えてください。その内容を細かく説明しましょう」という話をしています。
患者さんからの具体的な希望や質問があって初めて、その有効性、安全性、危険性、そして、かかる費用なども全てお伝えすることにしています。患者さんがそれを十分に理解した上で、「一緒にやりましょう」と一歩を踏み出すわけです。

統合医療の果たす役割

片平:統合医療の果たす役割を具体的に教えてください。
川嶋:それぞれの疾患別に考えられると思います。第一に通常医療では治癒できない末期がんなどの患者さんに対する取り組みが挙げられます。西洋医学のみでは限界があると判断された時などです。次に神経難病です。現状の医学で治療ができるのはパーキンソン病くらいで、他の神経難病はほとんど治療ができないといわれていますが、統合医療を使って治療ができると思われます。
ほかには膠原病の治療もできます。西洋医学では免疫抑制薬を使い続けるので、専門家は薬を止めることはできないと思っていますが、本当は止めることができます。実際に治している方が複数いますし、免疫抑制薬も全て切れている人がいるのです。膠原病は治る病気といえます。
片平:患者さんにとって救われる話ですね。
川嶋:遺伝病はある意味では仕方ないと思われるかもしれませんが、その患者さんが元気に生きていけるような治療ができればよいのではないでしょうか。そういう土壌を切り開いてあげるのも、これからの医療の役割ではないかと思います。

現代に多い慢性疲労症候群と不定愁訴の数々

川嶋:昨今、多いのが症状があり、診断基準が決まっていても、これといった治療方法がないものです。例えば慢性疲労症候群です。疲れるだるい、動けないという症状で悩んでいる方がいます。
また線維筋痛症という疾病は、原因不明ですが、相当な痛みが出るものです。これも診断基準が決まっているのに治せなくて患者さんを苦しめています。
さらに検査異常のない「不定愁訴」と呼ばれるものがあります。これは病院へ行って検査をして「どこも悪くない」と診断されたときから始まります。でも患者さんは、明らかに何か日常生活に不都合な症状があって困っているわけです。
検査結果に異常な数値が出ない場合、通常医療の面からは何も施すことができないのが通常医療の限界です。
片平:患者さんにとっては、治療ができないので困惑しますね。
川嶋:通常医療の検査で異常がなくても補完代替医療の診断体系を用いれば治療が可能となることは少なくありません。例えば漢方医学やホメオパシーなどを用いれば通常医療の検査で異常がなくても治療が可能なものも多々あります。

生活習慣病でよくある医師の言葉

川嶋:医師が「血圧や悪玉コレステロールの数値が高いから、薬を飲まなければいけません」と言うことがありますね。長い間、医師も患者さんも当然のこととして、このような会話をしてきたかもしれませんが、よくよく考えればおかしなことです。
なぜ医師が患者さんの身体のことを決めつけるのでしょうか?
僕は、平均寿命を過ぎた方で高い血圧の数値が出たときに「飲まなければいけません」とは言いません。余命1ヶ月といわれた方に対しても言いません。
このような方は飲もうが飲むまいが遅かれ早かれ死ぬと考えるからです。
もちろん患者さんのほうから「血圧を下げたい」と言ってくる場合があれば、その方の希望をリスペクトします。
患者さんはそれぞれの考え方や価値観を持っているはずです。そこを無視して診断し、治療を勧めるのは医師の価値観を押し付けているだけなのです。

お任せ医療とエクスキューズ医療

川嶋:一般的に今の日本の医療は完全に「お任せ医療」だと思います。
患者さんはご自身の身体のことなのに、医師に頼りすぎてしまいがちです。
「身体のことはわかりません。先生に全ておまかせします」という「医者任せ」の姿勢が多く見られます。確かにひと昔前なら情報も限られていたでしょう。
しかし現代では書籍や雑誌、インターネットなどでも情報を検索することができます。玉石混合のきらいはありますが、自分でいろいろ調べることができます。ですから本来ならば、自分の身体や治療方法のことなど、基本的なことだけでもいいので、勉強できるでしょう。
それなのに相変わらず全面的に医師に依頼する風潮があります。だから医師が「しなければいけない:must」という言葉を使うし、それが当然になっています。また「エクスキューズ医療」というのは医師側が使う「いいわけ」です。医師は「手術では取りきれません」「この治療は延命にしか過ぎません」「再発しないとは限りません」「可能性は否定できません」などと常に言い訳を伝え、過剰な画像診断をしたりして、ある意味で、自分を守っているのです。

日本人の健康に対する意識の低さ

川嶋:このような状況は日本人の健康に対する意識の低さにもつながります。
OECD(経済協力開発機構)で出している1999年のデータですが、日本の平均寿命はOECD加盟国の中で世界最長です。
加えて「回避可能な死亡率」すなわち「医療が充実しているから死ななくて済む国」という調査でも、日本は世界のトップクラスです。さらに慢性疾患の罹患率は5.7%。数字だけ見ると多いように感じますが、実際にOECD加盟国の中で日本は罹患率が低いという結果です。
ところが「あなたは健康ですか?」という質問に対して、日本は38カ国中、韓国に次いで下から2番目となっています。つまり多くの日本人は自分が健康だとは思っていないようです。
片平:健康に必要なものは何ですか?
川嶋:健康の3要素が運動、休養、食事です。OECD加盟国で2万8000人を対象に1996年に調査された結果ですが、「十分に睡眠を取っていますか?」「健康的な食生活を送っていますか?」「定期的な運動をしていますか?」という問いに対して、日本人の睡眠はワースト3位。食生活も運動もワースト1位でした。
この調査結果を見て、日本人には自ら健康になろうという意識が乏しいと推察されますね。

人々の意識が向上しなければ医療費は上がる一方

川嶋:日本人一人一人の健康に対するリテラシーが低いことが、結果、医療費の増加につながります。
2024年度が48兆円で、23年度から1.5%増えています。2025年度は54兆から60兆に達すると見込まれています。
しかも、この医療費の中には介護費も生活保護費も救急車の出動費も入っていません。ちなみに米国で救急車を呼ぶと、1000ドルくらいの費用がかかりますが、日本では無料です。だから、タクシー代わりに使う人も出ています。
このようなことをやっていたら、日本の未来はどうなるのでしょうか。
平成の初期は250兆くらいの赤字国債でした。平成の終わりには1000兆円近くまで行きました。2025年3月末時点で約1323兆余りといわれます。
これから我々の子供や孫たちが大きな負担を抱える未来が見えているのです。我々はもっと自分の健康のことに責任をもつ必要があるのではないかと思います。

統合医療アドバイザーになりませんか

片平:確かに多くの方に健康に対する考え方や統合医療に対する正しい知識を学んでいただく必要がありますね。
川嶋:統合医療を正しく発展、普及させるため2025年日本臨床統合医療学会を設立しました。現在高等教育機関で初めて統合医療の勉強ができる教育機関として神奈川歯科大学で統合医療の講座を展開しておりますがこのプログラムを学会にも適用することを考えています。
統合医療の概念と補完代替医療を1年で学べるプログラムです。講座修了者で統合医療の概念を完全に共有された方を日本臨床統合医療学会の統合医療アドバイザーに推薦させていただきます。
このプログラムはいずれ大学院で正式に学位の取れるものに昇格させたいと考えています。
統合医療を本格的に学びたい方には、ぜひとも受講していただきたいですね。
片平:それは素晴らしいですね。多くの方に学んでいただければ、日本の未来も変わることでしょう。

1957年生まれ。東京有明医療大学教授、東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門担当、医学博士。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学付属青山自然医療研究所クリニック所長などを経て、2014年4月から現職。日本統合医療学会理事。
「統合医療」の視点から、QOL(人生の質)を尊重し、さらにQOD(死の質)をも見据えた、患者目線の診療姿勢で知られる。著書多数。近著に『「血流たっぷり」で今の不調が消える(日本文芸社)、「がんは自然に消える」(宝島社新書)、「病気の9割は「あ・い・う・え・お」で防げ!』(創英社/三省堂書店)などがある。

統合医療SDMクリニック
統合医療SDMクリニックは、日本の統合医療第一人者である川嶋朗医師による、最先端の充実した統合医療診療を行っています。個人の年齢や性別、性格、生活環境、さらに個人が人生をどう歩みどう死んでいくかまで考え、西洋医学、補完・代替医療を問わず、あらゆる療法からその個人にあったものを見つけ、提供する“受診側主導”の医療を提供いたします。
東京都港区赤坂2-8-13赤坂こうゆうビル5階
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日本臨床統合医療学会
日本臨床統合医療学会は、科学的根拠に基づく研究教育臨床を通じて、西洋医学と補完代替医療を融合し、個人の価値観や死生観に寄り添う統合医療を推進する専門学術団体。疾患治療だけでなく、健康維持やQOL向上にも貢献。
*理事長・川嶋朗先生による講座や講演も含め、統合医療に関する最新情報を随時発信
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としま昭和病院 大部幸医師に聞く

としま昭和病院
大部 幸 医師にきく

地域医療では患者さんの心身が元気になって、自立してもらうこと。
この課題をやっていくと全国に通じると思う

これまでの歴史

当院は私の祖父が1949年に前身の昭和医院として開業し、1952年に病院となって各時代で必要とされる医療を提供してきました。祖父の時代は、終戦直後の日本が混迷しており軍医だった祖父は何でもやっていました。お産をやったり腎臓摘出手術をやったり、必要に応じて何でも治療していたのです。父(二代目)の時代は、日本が高度成長期に入った時期と一致しています。老人医療費(当時)が無料になり医療が大病院などで臓器別に細分化された時期です。それに伴い、当院の役目は次第にプライマリ・ケア(患者さんを一人の人間としてとらえ、その人の体や心が抱える問題を総合的に診る医療)を担う方向にシフトしていったのです。私は三代目として2017年に理事長になりました。(2024年〜院長である夫が理事長も兼務)国の方針により病院の医療機能の分化が推し進められており、当院は急性期治療のみ行う病院から地域包括ケア(急性期治療後の病状が安定した患者さんに対して安心して在宅復帰できるようサポートする)を担う病院になることを選択しました。仕事に従事する中でこの医療機能が重要であることを実感しています。例えば、肺炎で入院した独居の高齢患者さんが体力の低下で外出することができなくなり生活支援が必要になった場合、すぐに退院させるのではなく多職種で生活を支援する介護サービスを構築してから退院していただきます。また、大病院で厳しい治療を受け体力が著しく低下した患者さんの転院を受け入れ、リハビリを行ったり介護サービスを構築したりします。
このように、地域の病院としてその時代に必要とされる役目を果たしてきました。

腑に落ちない三つの経験

私は20年以上ここで診療していますが、数年前に高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の患者さんに対し数値を見て薬を選択する自分に気づきました。食事療法、運動療法とは言ってもバランスの良い食事とかウオーキングとか、簡単な指導しかできないものですから患者さんも具体的にどう改善したら良いのかわからず、結果として私が薬剤の処方に頼らざるを得なくなったのです。そしてまた、患者さんも薬に頼っている。こういう状況に悶々としていました。二つ目と三つ目は精神医療に関することです。私が身体疾患で診ている患者さんでメンタルクリニックから複数の抗うつ薬や抗精神病薬を処方されている方がいます。それで良くなっているのか問うと変わらないと言うのです。そして、症状が悪化するとすぐに薬が増やされます。一時的に薬が必要になることはあっても、根本的な治療やカウンセリングを施さなければどんどん薬が増えていくのは自明の理だと思います。私は精神科医ではないので薬については何もできません。患者さんのお話をただ傾聴している自分がいました。そしてこれまでの精神医療のあり方に大打撃を受けることになった経験を紹介します。当時52歳の拒食症の女性が「咳が出ているので診てほしい」とご両親から電話をいただき訪問診療することになったのですが、その女性は7回もの医療保護入院を経験した結果、極度の医療不信に陥り、その後7年間全く医療を受けず家に閉じこもったままでした。私が初めて往診した日のことを昨日のように覚えています。全く無表情で布団の中で横たわっており起き上がることができない状態でした。咳の原因は極度の貧血による心不全とわかり、自宅で治療を行い咳は治りました。その後も高アンモニア血症による意識障害で透析が必要になったため大学病院に入院を依頼、透析を脱した後に当院に転院し治療を続けました。いつの間にか、女性は少ないながらも食べられるようになっていて、自分のことを話し笑うようになっていました。そして、今では外来に自転車で通院しています。私が一貫して心がけていたことは、自分から食の話をしないこと、一人の人間として真剣に誠実に接すること、この2点です。ですので、精神科医でない私がいつもと変わらぬ診療を行っただけで通院できるようになったため、女性が過去に受けていた精神医療は何だったのだろう?と訝しく思うのも仕方のないことだと言えるでしょう。
どれも既存の医療では解決できない問題と認識していましたが、かといってこのままではいけない、どうしたら良いのか、という腑に落ちない想いを何年間も持ち続けていました。

篠浦塾との出会い

そのような気持ちを抱き続けていたためか、ある方から篠浦先生をご紹介いただき2024年から篠浦塾で学ばせていただいています。篠浦先生の凄いところは都立駒込病院脳神経外科部長で超多忙の在職中から篠浦塾を立ち上げたところだと思います。日本のために退職後に大きなことを成し遂げようとするその気概は凄まじいものだと想像できます。私は地域医療の一翼を担う医師として自分なりに一生懸命やってきましたが、地域の課題解決に留まっているだけではいけないなと考えさせられました。しっかりと地域の課題をやっていくと日本全国にも通じることになるのだろうと思っています。
篠浦塾で学んでいるうちに、既存の医療では解決できない私が抱えている課題の打開策を得ることができました。それが『統合医療』です。今の医学教育は主に西洋医療ですが、それだけでは改善しない症状が統合医療を施すことによって軽快した症例を篠浦塾のセミナーで示してくださいます。そして特筆すべきは篠浦先生が開発された脳活用度診断により、自分の脳のタイプを知り幸せに生きる「脳」の使い方を学ぶことができる点です。西洋医療でないと太刀打ちできない疾患は山ほどあり今後も必要な医療であることに変わりはないのですが、予防医療を継続し、よい脳の使い方をすれば癌や認知症を含む生活習慣病、精神疾患のリスクを減らすことができるでしょう。地域医療の使命は、病気にならないよう予防医療の視点でアドバイスし、病気を発症してしまったら根本原因を説いて統合医療で治療を行う。これらにより人々の心身を健やかに導くことだと思います。

乃木坂ウェルネスに入ったきっかけ

既存の医療従事者でない方たちがどういうことをやっているのかという興味と木曜日は医療従事者が集まっているので、そういう方たちと繋がりたい潜在意識から入りました。当院は統合医療を取り入れ始めたばかりのため付随する業務で慌ただしく、乃木坂ウェルネスへの参加がなかなか叶わないのですが、地域医療の使命としての統合医療、という観点からの発信場所として最適だと思っています。このような場を提供していただきありがたく思います。

としま昭和病院
東京都豊島区長崎5-17-9

●診療科目
一般内科 /  糖尿病内科 / 循環器内科 / 消化器内科 / 呼吸器内科 / 神経内科 / 外科 / 整形外科 / 肛門外科 / 泌尿器科 / 漢方内科 / 皮膚科 / リハビリテーション科

●専門外来
糖尿病外来 / 喘息外来 / 漢方外来 / 心臓外来 / 内視鏡検査
●その他のご相談
初めての介護相談 / 物忘れ・認知症の相談 / 体重減少・貧血相談 / 訪問診療 / レスパイト入院

乃木坂ウェルネスルーム 第6期 利他交流会 記念公演

日時 6月17日(火) 18:00~
会場 (株)ホリスティックウェルネス(東京都港区六本木7-4-14-2F)
参加費 一般 2,000円 /会員 無料
講師 としま昭和病院 大部 幸 医師 td>

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覚醒下手術で世界を代表する脳外科医 篠浦伸禎医師にきく

覚醒下手術で世界を代表する脳外科医
篠浦伸禎 医師にきく

戦後、消えてしまった家族的なコミュニティーを共に作り、社会貢献することで幸せな人生をめざしています。

覚醒下手術と西洋医療

片平:篠浦先生は、脳のスペシャリストとしてご活躍されていますが、最近、注目されている「覚醒下手術」とはどのようなものなのでしょうか?
篠浦:患者さんを覚醒させた状態で手術をする方法です。脳に痛覚がなく、脳機能が温存されたままですから、患者さんには完全に起きていただき、悪くなりそうな症状をずっとチェックきるのです。
片平:症状が悪化したら手術をストップできるわけですね。
篠浦:全身麻酔では症状が悪化したのがわかりませんので、覚醒下手術に比べて圧倒的に手術成績が悪いのです。覚醒下手術は手術成績がいいのみならず、目の前で神経症状が急激に変化するため、脳機能のあり方が明確にわかります。それに基づき、脳テストも作ることができたんですね。
片平:最近は脳科学なども関心がもたれていますし、医学の進歩は素晴らしいですね。
篠浦:現代医療を西洋医療、補完代替医療と分けると、現代医療のほとんどは保険制度に支えられた西洋医療が主軸になっているといってよいでしょう。この医療は、もともと戦場で発達した歴史がありますから、外傷や感染症などといった外敵と戦うために役立ちます。そしてこれまでの歴史は薬や手術などを用いる西洋医療を中心に発達してきたといっても過言ではありません。

西洋医療だけでは不十分


片平:西洋医療の問題点もありますね。
篠浦:西洋医療では病気を「敵」とみなして治療してきたために、体の中から発生する生活習慣病に対しては不十分です。
例えば、アトピーを例に挙げていうと、最初から西洋医療で治療した場合、初期段階でステロイドという薬剤を使用します。最初は劇的に効きます。ところがだんだん効果がうすれ、同時にステロイドの量が増えてしまって、にっちもさっちもいかなくなります。そこで初めて西洋医療から離脱し、別の治療法、例えば食事療法や波動医療を試みる例が非常に多く見られます。
片平:西洋医療だけでは不十分なんですね。
篠浦:病気の根本原因を治さずに、対症療法に終始するからです。例えばアトピーの根本原因のひとつに食事が悪いことが考えられます。小麦粉、砂糖、乳製品などのアレルギーで腸の状態が悪くなります。リーキーガット症候群といいますが、異物が腸から血管内や体内に漏れ出してアレルギー反応を起こすのが根本原因と考えられます。
ここで西洋医療ではそれを根本から解決するのではなく、アレルギー反応を抑制するためにステロイド剤を使って、一時的には治ったようにみせます。つまり西洋医療は症状を一過性に改善させますが、同時に自然治癒力をどんどん下げてしまうともいえるのです。

大切なのは自然治癒力の見直し

篠浦:私たちの体には本来、自分を治す「自然治癒力」が視床下部を中心に備わっているのですが、ステロイド剤を使って対症療法をすることにより、体が薬に依存するようになってしまうわけです。そのため自然治癒力が下がり、再発するたびに症状が手に負えなくなってくるんですね。
これはすべての生活習慣病にいえることです。生活習慣病の根本原因は、食、体、脳の使い方、つまりストレスに弱いと自然治癒力が落ちてくることも原因です。
片平:自然治癒力がキーワードですね。
篠浦:最初にのべたように西洋医療は外敵、急性期、厳しい状態に強いという特徴があります。そこでこの特徴は大いに活用したいわけです。ここに食、体、脳の使い方で生活習慣病を根本的に治す補完代替医療を組み合わせる「統合医療」が、すべての病気を改善させるためには必要であると思われます。つまり生活習慣病に関しても、厳しい状況の時は、西洋医療を用いることは有効ですが、それはできるだけ短期間にして、本来は最初から補完代替医療を徹底的に行うほうがよいのではないかと考え、集学的統合医療が必要と考えています。

集学的統合医療とは?

片平:集学的統合医療とは、どのようなことですか?
篠浦:本来は病気を治す力のあるはずの自然治癒力が、ストレスを含めさまざまな原因で落ちたために病気になっているわけですから、自然治癒力を上げることが大事なんですね。そこでさまざまな有効な治療法を組み合わせていけばよいのですが、人によって効果に個人差があるため、多くの実績のある治療法を体験し、何が合うのかを個人で確認し、その治療法を組み合わせて、自然治癒力をどんどん高めていく医療です。
私の主催する篠浦塾では、集学的統合医療を行うという治療方針のもとに、実績のある多くの治療家、治療機器メーカーと提携し、病気に合わせた有効な治療法を、過去の実績から提示しています。
片平:それは素晴らしいですね。
篠浦:たくさんある情報の中で回り道をしないように、効率よく病気を改善させるには、統合医療に関する知識が必須です。
その中でどの治療法が有効であるかに関する情報を患者さんが病気の初期から知っていることが必須なんですね。
例えば片平さんの扱っている寝具のアルファースリームなどはとても価値が高いと思います。またボイトレについても誤嚥性肺炎予防、右脳の活性化によるストレス解消、歌を覚えることによる認知症予防につながるわけですから、とても有効だと思います。
補完代替医療で成果を出している人が集まり情報交換ができる乃木坂ウェルネスは大きな役割をはたしていると思いますね。

篠浦塾を立ち上げた理由

片平:先生が篠浦塾を立ち上げたきっかけを教えてください。
篠浦:食・体・脳の使い方を改善にすることを目的として、本質的な医療、統合医療をするために約8年前に立ち上げました。
医療と教育に関して仲間と共に学び、戦後、消えてしまった家族的なコミュニティーを共に作り、社会貢献することで、幸せな人生をめざしています。
片平:具体的にどのようなことを企画されていますか?
篠浦:大きく分けて3つの分野があります。ひとつは「医療相談」です。認知症、発達障害、うつ病などの脳疾患やがんなどの生活習慣病に対して、西洋医療と補完代替医療を適切に組み合わせた診療方法をアドバイスをしています。脳テストを用いた脳の使い方の改善法のアドバイス、波動測定器(メタトロンSAKURA)、毛細血管血流測定器を用いて、どのような食や波動医療が病気の改善に役立つかアドバイスし、補完代替医療を実際に体験していただくような診療内容となっています。

講座を行い総合的に学んでいただく

篠浦:2つ目が「初級講座」を行うことです。「予防医療勉強会」では各分野で実績をあげている講師から食・体・脳の使い方を改善する補完代替医療を学びます。もし生活習慣病があればそれを改善することにも役立つでしょう。
そのために協力各企業に参加してもらい、体験会、製品の説明会を行っています。加えて「S-BRAIN勉強会」も行います。脳テストは、ストレスを乗り越えるための脳の使い方の改善法です。数値で明確にわかるようにし、学ぶことで、自分や自分に関わる人が幸せになるための適格なアドバイスが誰でもできるようになります。
また「薬を使わない脳疾患の治療法」についても学びます。薬で認知症、発達障害、うつ病などの脳疾患を治すのは難しく、逆に悪くすることも多々あるため実績のある講師にセミナーで治療法を話してもらい、実践することで脳疾患の改善に非常に役立つような内容になっています。
片平:それは素晴らしいですね。

資格制度で多くの人がより健康に幸せに

篠浦:3つ目が「資格制度」です。統合医療推進のために篠浦塾は活動しています。
集学的統合医療を推進することで多くの病気、特に生活習慣病を改善することに結び付くと思いますので、篠浦塾で学んで正確な医療知識をもつ受講生と篠浦塾の医師がチームをつくって、草の根的活動で医療を広げていきたいと思います。篠浦塾のセミナーをすべて学ぶと、「篠浦塾健康指導師(以下健康指導師)」という資格を得ることができ、患者さんをフォロー、脳テストを用いたカウンセリング、統合医療に関する講演をすることが可能になります。
片平:とても興味深い内容ですね。
篠浦:健康指導師は、患者さんに寄り添ってアドバイスやカウンセリングができるので、不安のために症状が悪化しがちな患者さんの病気の改善に大きな役割を果たすと思いますし、今までなかった新たな職業になると思います。困っている人の症状を改善し、幸せになるお手伝いをすることにより、日本全体を幸せな方向にもっていくことを目的とする職業になると思います。

1958年生まれ。東京大学医学部卒業、東京大学医学部付属病院、国立国際医療センター等に脳神経外科医として勤務。1992年東京大学医学部の医学医学博士を取得を取得。2009年より都立駒込病院脳神経外科部長。同病院を2023年3月退職し、同年4月一般社団法人篠浦塾理事長に就任。脳の覚醒下手術ではトップクラスの実績を誇る。週刊現代の「人として信頼できるがんの名医100人」に脳領域で唯一選ばれる。著書多数。
集学的統合医療 医療相談
集学的統合医療とは、医師を含め各分野の専門スタッフが協力して治療をおこなうことです。
統合医療についての説明、アドバイス/篠浦脳活用度診断を用いての治療法のアドバイス/さまざまな計量器を用いての情報読み取り、アドバイス/ご相談者に合った健康食品や機器、治療法の試用や体験 など
〈相談料〉 50分間 ─ 22,000円(税込)
25分間 ─ 11,000円(税込)
〈患者目線の会 年会費〉
月1,000円×(入会月〜12月の月数)
〈会場〉 健康増進クリニック
東京都千代田区九段南4-8-21山脇ビル5F

篠浦医師と予防医療を学ぶ会

講師:篠浦塾理事長 医師 医学博士
初級予防医学勉強会 開催日程(予定)
6月28日(土), 7月19日(土)/脳機能の改善編
8月 9日(土)/脳活用度診断テストの読み方
9月28日(日)/ドラマを視聴して脳の使い方を学ぶ

薬を使わない脳疾患の治療法講座

講師:篠浦塾理事長 医師 医学博士
6月 14日(土)/6月 29日(日)/8月3日(日)
脳機能から見た脳疾患の治療法
〈開催時間〉13:30 〜 17:00
〈会場〉 音頭ビル3階 貸会議室
JR秋葉原駅より徒歩5分
東京都千代田区神田泉町1-5-9
〈受講料〉 6,000円/回
懇親会も開催します(会費は別途)
9月28日(日)/ドラマを視聴して脳の使い方を学ぶ

『資格制度』篠浦塾 健康指導師

患者さんをフォロー、脳テストを用いたカウンセリング、統合医療に関する講演をすることが可能になります。

乃木坂ウェルネスルーム 特別講座

日時 7月14日(月) 18:00~
会場 (株)ホリスティックウェルネス(東京都港区六本木7-4-14-2F)
参加費 一般 4,000円 / 会員 2,000円
講師 脳外科医 篠浦 伸禎医師

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