覚醒下手術で世界を代表する脳外科医 篠浦伸禎医師にきく

覚醒下手術で世界を代表する脳外科医
篠浦伸禎 医師にきく

戦後、消えてしまった家族的なコミュニティーを共に作り、社会貢献することで幸せな人生をめざしています。

覚醒下手術と西洋医療

片平:篠浦先生は、脳のスペシャリストとしてご活躍されていますが、最近、注目されている「覚醒下手術」とはどのようなものなのでしょうか?
篠浦:患者さんを覚醒させた状態で手術をする方法です。脳に痛覚がなく、脳機能が温存されたままですから、患者さんには完全に起きていただき、悪くなりそうな症状をずっとチェックきるのです。
片平:症状が悪化したら手術をストップできるわけですね。
篠浦:全身麻酔では症状が悪化したのがわかりませんので、覚醒下手術に比べて圧倒的に手術成績が悪いのです。覚醒下手術は手術成績がいいのみならず、目の前で神経症状が急激に変化するため、脳機能のあり方が明確にわかります。それに基づき、脳テストも作ることができたんですね。
片平:最近は脳科学なども関心がもたれていますし、医学の進歩は素晴らしいですね。
篠浦:現代医療を西洋医療、補完代替医療と分けると、現代医療のほとんどは保険制度に支えられた西洋医療が主軸になっているといってよいでしょう。この医療は、もともと戦場で発達した歴史がありますから、外傷や感染症などといった外敵と戦うために役立ちます。そしてこれまでの歴史は薬や手術などを用いる西洋医療を中心に発達してきたといっても過言ではありません。

西洋医療だけでは不十分


片平:西洋医療の問題点もありますね。
篠浦:西洋医療では病気を「敵」とみなして治療してきたために、体の中から発生する生活習慣病に対しては不十分です。
例えば、アトピーを例に挙げていうと、最初から西洋医療で治療した場合、初期段階でステロイドという薬剤を使用します。最初は劇的に効きます。ところがだんだん効果がうすれ、同時にステロイドの量が増えてしまって、にっちもさっちもいかなくなります。そこで初めて西洋医療から離脱し、別の治療法、例えば食事療法や波動医療を試みる例が非常に多く見られます。
片平:西洋医療だけでは不十分なんですね。
篠浦:病気の根本原因を治さずに、対症療法に終始するからです。例えばアトピーの根本原因のひとつに食事が悪いことが考えられます。小麦粉、砂糖、乳製品などのアレルギーで腸の状態が悪くなります。リーキーガット症候群といいますが、異物が腸から血管内や体内に漏れ出してアレルギー反応を起こすのが根本原因と考えられます。
ここで西洋医療ではそれを根本から解決するのではなく、アレルギー反応を抑制するためにステロイド剤を使って、一時的には治ったようにみせます。つまり西洋医療は症状を一過性に改善させますが、同時に自然治癒力をどんどん下げてしまうともいえるのです。

大切なのは自然治癒力の見直し

篠浦:私たちの体には本来、自分を治す「自然治癒力」が視床下部を中心に備わっているのですが、ステロイド剤を使って対症療法をすることにより、体が薬に依存するようになってしまうわけです。そのため自然治癒力が下がり、再発するたびに症状が手に負えなくなってくるんですね。
これはすべての生活習慣病にいえることです。生活習慣病の根本原因は、食、体、脳の使い方、つまりストレスに弱いと自然治癒力が落ちてくることも原因です。
片平:自然治癒力がキーワードですね。
篠浦:最初にのべたように西洋医療は外敵、急性期、厳しい状態に強いという特徴があります。そこでこの特徴は大いに活用したいわけです。ここに食、体、脳の使い方で生活習慣病を根本的に治す補完代替医療を組み合わせる「統合医療」が、すべての病気を改善させるためには必要であると思われます。つまり生活習慣病に関しても、厳しい状況の時は、西洋医療を用いることは有効ですが、それはできるだけ短期間にして、本来は最初から補完代替医療を徹底的に行うほうがよいのではないかと考え、集学的統合医療が必要と考えています。

集学的統合医療とは?

片平:集学的統合医療とは、どのようなことですか?
篠浦:本来は病気を治す力のあるはずの自然治癒力が、ストレスを含めさまざまな原因で落ちたために病気になっているわけですから、自然治癒力を上げることが大事なんですね。そこでさまざまな有効な治療法を組み合わせていけばよいのですが、人によって効果に個人差があるため、多くの実績のある治療法を体験し、何が合うのかを個人で確認し、その治療法を組み合わせて、自然治癒力をどんどん高めていく医療です。
私の主催する篠浦塾では、集学的統合医療を行うという治療方針のもとに、実績のある多くの治療家、治療機器メーカーと提携し、病気に合わせた有効な治療法を、過去の実績から提示しています。
片平:それは素晴らしいですね。
篠浦:たくさんある情報の中で回り道をしないように、効率よく病気を改善させるには、統合医療に関する知識が必須です。
その中でどの治療法が有効であるかに関する情報を患者さんが病気の初期から知っていることが必須なんですね。
例えば片平さんの扱っている寝具のアルファースリームなどはとても価値が高いと思います。またボイトレについても誤嚥性肺炎予防、右脳の活性化によるストレス解消、歌を覚えることによる認知症予防につながるわけですから、とても有効だと思います。
補完代替医療で成果を出している人が集まり情報交換ができる乃木坂ウェルネスは大きな役割をはたしていると思いますね。

篠浦塾を立ち上げた理由

片平:先生が篠浦塾を立ち上げたきっかけを教えてください。
篠浦:食・体・脳の使い方を改善にすることを目的として、本質的な医療、統合医療をするために約8年前に立ち上げました。
医療と教育に関して仲間と共に学び、戦後、消えてしまった家族的なコミュニティーを共に作り、社会貢献することで、幸せな人生をめざしています。
片平:具体的にどのようなことを企画されていますか?
篠浦:大きく分けて3つの分野があります。ひとつは「医療相談」です。認知症、発達障害、うつ病などの脳疾患やがんなどの生活習慣病に対して、西洋医療と補完代替医療を適切に組み合わせた診療方法をアドバイスをしています。脳テストを用いた脳の使い方の改善法のアドバイス、波動測定器(メタトロンSAKURA)、毛細血管血流測定器を用いて、どのような食や波動医療が病気の改善に役立つかアドバイスし、補完代替医療を実際に体験していただくような診療内容となっています。

講座を行い総合的に学んでいただく

篠浦:2つ目が「初級講座」を行うことです。「予防医療勉強会」では各分野で実績をあげている講師から食・体・脳の使い方を改善する補完代替医療を学びます。もし生活習慣病があればそれを改善することにも役立つでしょう。
そのために協力各企業に参加してもらい、体験会、製品の説明会を行っています。加えて「S-BRAIN勉強会」も行います。脳テストは、ストレスを乗り越えるための脳の使い方の改善法です。数値で明確にわかるようにし、学ぶことで、自分や自分に関わる人が幸せになるための適格なアドバイスが誰でもできるようになります。
また「薬を使わない脳疾患の治療法」についても学びます。薬で認知症、発達障害、うつ病などの脳疾患を治すのは難しく、逆に悪くすることも多々あるため実績のある講師にセミナーで治療法を話してもらい、実践することで脳疾患の改善に非常に役立つような内容になっています。
片平:それは素晴らしいですね。

資格制度で多くの人がより健康に幸せに

篠浦:3つ目が「資格制度」です。統合医療推進のために篠浦塾は活動しています。
集学的統合医療を推進することで多くの病気、特に生活習慣病を改善することに結び付くと思いますので、篠浦塾で学んで正確な医療知識をもつ受講生と篠浦塾の医師がチームをつくって、草の根的活動で医療を広げていきたいと思います。篠浦塾のセミナーをすべて学ぶと、「篠浦塾健康指導師(以下健康指導師)」という資格を得ることができ、患者さんをフォロー、脳テストを用いたカウンセリング、統合医療に関する講演をすることが可能になります。
片平:とても興味深い内容ですね。
篠浦:健康指導師は、患者さんに寄り添ってアドバイスやカウンセリングができるので、不安のために症状が悪化しがちな患者さんの病気の改善に大きな役割を果たすと思いますし、今までなかった新たな職業になると思います。困っている人の症状を改善し、幸せになるお手伝いをすることにより、日本全体を幸せな方向にもっていくことを目的とする職業になると思います。

1958年生まれ。東京大学医学部卒業、東京大学医学部付属病院、国立国際医療センター等に脳神経外科医として勤務。1992年東京大学医学部の医学医学博士を取得を取得。2009年より都立駒込病院脳神経外科部長。同病院を2023年3月退職し、同年4月一般社団法人篠浦塾理事長に就任。脳の覚醒下手術ではトップクラスの実績を誇る。週刊現代の「人として信頼できるがんの名医100人」に脳領域で唯一選ばれる。著書多数。
集学的統合医療 医療相談
集学的統合医療とは、医師を含め各分野の専門スタッフが協力して治療をおこなうことです。
統合医療についての説明、アドバイス/篠浦脳活用度診断を用いての治療法のアドバイス/さまざまな計量器を用いての情報読み取り、アドバイス/ご相談者に合った健康食品や機器、治療法の試用や体験 など
〈相談料〉 50分間 ─ 22,000円(税込)
25分間 ─ 11,000円(税込)
〈患者目線の会 年会費〉
月1,000円×(入会月〜12月の月数)
〈会場〉 健康増進クリニック
東京都千代田区九段南4-8-21山脇ビル5F

篠浦医師と予防医療を学ぶ会

講師:篠浦塾理事長 医師 医学博士
初級予防医学勉強会 開催日程(予定)
6月28日(土), 7月19日(土)/脳機能の改善編
8月 9日(土)/脳活用度診断テストの読み方
9月28日(日)/ドラマを視聴して脳の使い方を学ぶ

薬を使わない脳疾患の治療法講座

講師:篠浦塾理事長 医師 医学博士
6月 14日(土)/6月 29日(日)/8月3日(日)
脳機能から見た脳疾患の治療法
〈開催時間〉13:30 〜 17:00
〈会場〉 音頭ビル3階 貸会議室
JR秋葉原駅より徒歩5分
東京都千代田区神田泉町1-5-9
〈受講料〉 6,000円/回
懇親会も開催します(会費は別途)
9月28日(日)/ドラマを視聴して脳の使い方を学ぶ

『資格制度』篠浦塾 健康指導師

患者さんをフォロー、脳テストを用いたカウンセリング、統合医療に関する講演をすることが可能になります。

乃木坂ウェルネスルーム 特別講座

日時 7月14日(月) 18:00~
会場 (株)ホリスティックウェルネス(東京都港区六本木7-4-14-2F)
参加費 一般 4,000円 / 会員 2,000円
講師 脳外科医 篠浦 伸禎医師

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